遊休地で太陽光発電を行うメリット

土地活用として太陽光発電を導入する

利用用途がなく放置せざるを得なかった遊休地の活用方法として、従来までは主に駐車場経営やマンション・アパート経営、等価交換や土地売却などが主流でした。
ただし、それぞれの活用方法によって収益性やリスクは大きく異なるため、短期間のうちに収入を得たい場合と、長期的に安定的な収入を得たい場合では、適した活用方法は異なります。
また、多額の借入を起こす必要がある活用方法もありますが、収支が安定しない状況を耐えうるだけの資金力を持たない場合はあまり推奨出来ません。

そんな中、2012年7月に固定価格買取制度がスタートし、グリーン投資減税などの法整備が進んだことで、太陽光発電事業も一つの土地活用方法として扱われるようになりました。
土地活用として行う太陽光発電事業がどういった理由で注目を集めているのかを、その他の土地活用方法と比較して検証していきましょう。

土地活用 駐車場経営

駐車場

一口に駐車場経営と言っても、月極なのかコインパーキングなのか、また平面駐車場なのか立体駐車場なのかで大きく話は異なります。周辺環境や面積・地形が利用状況に及ぼす影響は大きく、場合によってはそもそも駐車場に適していないというケースも想定されます。

平面駐車場の場合、そこまで多くの初期費用やメンテナンス費用は必要となりませんが、機械式立体駐車場を設ける場合は注意が必要です。
機械式立体駐車場は、効率よく収容することで多くの収入を得ることが出来ますが、耐用年数や維持管理費用の面で平面駐車場に劣ります。

駐車場経営の難点として、建物を建てる場合と比べて税制上の優遇措置がほとんどないということが挙げられるでしょう。課税地目は住宅用地とならず、更地として評価されるため、固定資産税や都市計画税などの軽減は一切ありません。

土地活用 アパート・マンション経営

アパート・マンション

アパートやマンションのような賃貸住宅経営は、今も昔も有力な投資対象として注目を集めていますが、当然の事ながら店子がいなければ収入が入ってこなくなります。
銀行に借入を行った場合は、毎月決まった額を返済していかなければならないため、建設の段階で他物件とどういった形で差別化を図るかが重要です。もちろんそれにも費用がかかります。

アパート・マンション経営は固定資産税や相続税対策として非常に大きな効果を発揮しますが、立地によっては競争が激しく、収入は安定しません。
また、物件の価値を低下させないためにも定期的に管理や修繕といった維持費用が必要となるため、安易な選択は地雷を踏むだけと言えるでしょう。

土地活用 等価交換

土地を提供することでその土地に建物を立ててもらい、土地所有者が建物のうち「提供した土地に見合った分」を取得するという方式のこと。

資金がなくてもリスクを伴わずに土地を有効活用することが出来るため、借入などの不安はありません。ただし、土地を手離すこととなるため、慎重な検討が必要となる上、賃貸での収益性はやや劣るという問題があります。

土地活用 太陽光発電

太陽光発電

遊休地に太陽光発電システムを設置し、発電した電力を売ることで収入を得るというローリスクな土地活用方法。

土地活用として行う太陽光発電事業は、非常に大きなポテンシャルを秘めていると言えます。
10kW以上の太陽光発電システムで発電した電力は、固定価格買取制度に基いて売電することが可能で、以降20年間にわたってこの制度が適用されます。
多少の初期費用こそ必要になるものの、電力会社との契約さえ結んでしまえば競合要件が現れることもなく、安定した収入を得ることが可能となります。

これらの事から、土地活用として行う太陽光発電事業は、他の活用方法と比べて莫大な利益を生み出すことは出来ませんが、収入が大きく低減するということもないため、非常にローリスクです。
前述したことに加え、法制度が充実していることや確実な採算が見込めるといったことから、近年、遊休地で行う太陽光発電は非常に大きな注目を集めています。

節税対策としての太陽光発電

グリーン投資減税パンフレット 【PDF】資源エネルギー庁

遊休地に太陽光発電システムを設置することによって、グリーン投資減税という税制優遇措置を受けることが出来ます。これは青色申告書を提出する法人又は個人が定められた期間内に対象設備を取得し、かつ1年以内に事業の用に供した場合に、取得価額の30%を特別償却、又は7%の税額控除、又は100%の即時償却のいずれかの形で会計処理できるというもので、導入費用の早期回収を実現することが出来ます。

また、自治体によっては固定資産税を減免するといった制度があるため、設置する地域の役所などに問い合わせてみることが肝要です。
こういった税制優遇措置は、太陽光発電システムの普及が推進されている近年のみにしか行われないと予測されているため、迷っている方は早期に導入した方が良いでしょう。

CSR活動、環境への取り組みアピールに

エコ

近年になり、各企業は様々な局面で「企業の社会的責任(CSR)」を強く求められるようになりました。

具体的にCSR活動とは、自社の利益を追求するだけではなく活動の基盤とする社会との関わりにおいて、社会的公正性や倫理性、環境への配慮などに取り込んでいくことで、持続可能な社会・未来を、社会と共に築いていくことを指します。

企業や事業を行う方が太陽光発電事業を開始することは、環境への取り組みとしてだけではなく、近隣地域へのアピールや企業のイメージ向上といった副次的効果も大きく期待出来るでしょう。

環境教育、啓発の実教材に

年々、地球温暖化やヒートアイランド現象、化石燃料の枯渇やエネルギー需給の逼迫といった問題が深刻化していますが太陽光発電システムは、それら問題への対応策となるだけでなく、環境教育の実教材としても効果を発揮すると言えるでしょう。

早い段階から、未来を担っている子どもたちの環境意識を高めることは、今後のエネルギー事情にも影響することが予測されており、実際に環境教育の重要性は日に日に増しています。

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