雑種地

土地活用で太陽光発電地目調査 - 雑種地

雑種地とは宅地や山林といった、いずれの地目にも該当しない土地の事を指し、一般的なものとして駐車場や野球場、ゴルフ場、飛行場などが挙げられます。

土地活用:雑種地 地目「雑種地」から太陽光発電

雑種地の多くは宅地並み課税となっているため、更地で所有している場合、固定資産税が大きな負担となります。 太陽光発電事業を行う用地として雑種地は非常に都合が良く、また実際に最も建設事例の多い地目と言えるでしょう。

首都圏などにおいてはバブル期に整備されたゴルフ場が多数存在していますが、そのほとんどが経営不振などによって閉鎖となっています。
その影響から、各ゴルフ場跡地を所有しているオーナーは積極的にメガソーラー誘致を行っており、立派な用地として成り立っています。

開発予定の雑種地が市街化調整区域内や宅地造成工事規制区域内にある場合は、開発許可や宅地造成に関する工事の許可を受けなければなりません。
また、敷地内に森林があり、それを伐採する場合においては「伐採届出書」又は「林地開発許可申請書」の提出が必要となります。

土地活用:雑種地 林地開発許可制度

林地開発許可制度とは、1ha以上の森林の開発を規制する日本の許可制度のこと。
保安林、保安施設地区、海岸保全区域内の森林を除く民有林において、土石又は樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為を行う場合は、この許可が必要となります。

森林は、水源のかんようや土砂災害などの防止、環境の保全といった公益的な機能を持っており、生活の安定と地域社会の健全な発展に寄与しています。
また、森林は一度破壊してしまうと原状回復が非常に難しいとされているため、森林の有する役割を阻害せず適正に開発が行われるよう、この許可制度は定められています。

林地開発許可制度の申請は、農林水産省令で定める手続に従って行わなければなりません。申請先は都道府県知事となっており、都道府県知事は以下の事項に該当しないと認める場合には、これを許可しなければならないとされています。

  • 開発行為により、森林周辺地域において土砂の流出
    又は、崩壊その他の災害を発生させる恐れがあること
  • 森林の現に有する水害の防止の機能からみて、開発行為により
    当該機能に依存する地域における水害を発生させる恐れがあること
  • 森林の現に有する水源の涵養の機能からみて、開発行為により
    当該機能に依存する地域における水の確保に著しい支障を及ぼす恐れがあること
  • 開発行為により、森林周辺地域における環境を著しく悪化させる恐れがあること

ただし、森林の開発面積が1ha以下の場合は、伐採届出書を提出することで開発を行うことが出来ます。

土地活用:雑種地 林地開発許可申請の流れ

開発行為をしようとする者が都道府県知事に林地開発許可申請を提出し、都道府県知事は都道府県森林審議会、関係市町村長への意見聴取や現地調査を基に審査をします。
その後問題がなければ許可が下り、開発行為を行うことが可能となります。

市街化調整区域内に土地が存する場合

安全な市街地の形成と無秩序な市街化の防止を目的として、市街化を進める市街化区域と、市街化を抑制する市街化調整区域という区域区分があります。
山林の場合は、その多くが市街化調整区域に指定されていることが予測出来るため、あらかじめ把握しておくに越したことはありません。

市街化調整区域内においては、建築物の建築や特定工作物の建設を目的として「土地の区画形質の変更」が制限されており、これら開発行為を行うためには都道府県知事(指定都市・中核市・特例市の場合においては当該指定都市等の長)の許可を受けなければなりません。

市街化調整区域内に太陽光発電システムを設置するにあたってポイントとなるのは「その太陽光発電システムが建築物に該当するか否か」ということです。

公式の見解によると、メンテナンス時を除いて架台下の空間に人が立ち入らないもので、架台下の空間を屋内的用途で使用しない太陽光発電システムについては、建築基準法第二条第一項に規定する建築物に該当しないとされ、設置時の開発許可申請は不要となります。

また、パワーコンディショナを収納する専用コンテナについても、建築物には該当しないという見解が国土交通省により発表されています。
ただし、キュービクルなどについては、その用途や規模、配置や発電設備との不可分性等から、建築物に該当するかどうかは開発許可権者の判断に委ねられているため、設置の際には役所への確認を行いましょう。

宅地造成工事規制区域内に存する場合

宅地造成に伴い災害が生ずる恐れが大きい市街地又は市街地となろうとする土地の区域において、宅地造成に関する工事を行うことを規制した宅地造成工事規制区域という区域区分があります。
宅地造成工事規制区域内に太陽光発電システムを設置するに際して、土地の切土や盛土を行う場合は「宅地造成に関する工事の許可申請書(届出書)」を提出しなければなりません。

許可を受ける宅地造成工事は以下の通り。

  • 切土部で2mを超える崖を生ずるもの
  • 盛土部で1mを超える崖を生ずるもの
  • 切土と盛土を行う場合で、
    2mを超える崖を生ずるもの
  • 切土又は盛土をする場合で、
    その土地の面積が500平方メートルを超えるもの

ただし、都市計画法第二十九条第一項・第二項による開発許可を受けている場合は、この許可申請又は届出は不要となります。

【太陽光発電に対する各地目の特徴】
土地の地目 太陽光発電システム設置の特徴 太陽光発電の向き/不向き
山林 耕作の方法を取らないで竹木の生育する土地。近辺の電力事情によっては困難な場合も。
(環境による)
原野 耕作の方法を取らないで雑草やかん木類の生育する土地。太陽光発電事業にはうってつけの土地と言える。
宅地 建物の敷地に使用される土地。法的制限が少なく、比較的活用しやすい。
農耕地で用水を利用して耕作する土地。農地転用の手間を考慮しなければならない。
(要届出)
農耕地で用水を利用しないで耕作する土地。農地転用の手間を考慮しなければならない。
(要届出)
雑種地 いずれの地目にも該当しない土地。太陽光発電事業を始めるには都合の良い土地と言える。
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