所有している土地を土地活用、遊休地活用したい
2012年7月よりスタートした固定価格買取制度やグリーン投資減税などの法整備が進み、固定資産税を支払っていただけの土地が一変して収益を生み出す物件となる可能性が出てきました。その背景から、利用用途がなく放置されていた土地(遊休地)の活用手段として、遊休地に太陽光発電システムを設置する取り組みが近年大きな注目を集めています。
遊休地が収益を生み出す物件となる根拠として、電力の買取価格が非常に優遇されたものであるということが挙げられます。
遊休地で太陽光発電 太陽光発電に適した土地
太陽光発電システムは、その性質上太陽が当たる場所であればどこにでも設置することが可能ですが、設置に適した土地・適していない土地というのははっきりと分けられます。
太陽光発電に適した土地の条件として、以下の事が挙げられます。
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受光障害(高層建築物や樹木など)がなく、
日当たりが良いこと -
固定資産税が安く、
造成費用がかさまないこと -
システムを設置する土地の近くに
電力会社の配電網があること
登記上の地目が田や畑などの農地の場合は、農地転用許可申請を行わなければなりません。
また、土地の地目によっては土地地目変更登記を行わなければならないため注意が必要です。
土地を所有されている「土地所有者」の方は自分の所有している土地が一体どんなメリットとデメリットがあるのか十分に把握することが必要不可欠です。所有されている地目を下記の中から選択し詳細情報をご覧下さい。
遊休地で太陽光発電 システム設置のメリット
太陽光発電事業に近い土地活用方法として、たびたびマンション経営や駐車場経営が引き合いに出されますが、これらの事業と太陽光発電事業は全く性格が異なります。
一般的に、マンション経営は利回りの良い事業とされていますが、空室や競合物件の数によって経営が左右されること、また定期的に多額の維持・管理費用が必要となることから、どうしてもリスクは回避出来ません。
駐車場経営も同様に、価格面での競合要件が多く土地を選ぶことから、よほど利便性に優れた立地でない限りマンション経営よりもリスクが大きいと捉えるのが一般的でしょう。
一方で太陽光発電事業は、設備の導入費用こそ高額なものの、電力会社との契約さえ成立してしまえば他の事業者と競合することはなく、固定価格買取制度のもと20年間に渡って安定した収益を得ることが可能とされています。
土地活用は安定した収益源の確保や固定資産税対策を目的に行われることが多いことから、ほぼノーリスクで確実な収益を生み出すことが太陽光発電事業の優位性を決定付けていると言えるでしょう。
遊休地における太陽光発電は、固定資産税対策にも有効です。
近年、自治体によっては太陽光発電の普及促進を図るため、太陽光発電システムを導入した土地と太陽光発電システムの固定資産税を一定期間減免するといった条例を設けているところも多く、これを活用することによって大きな節税効果が期待出来ます。
概要 |
再生可能エネルギーの固定価格買取制度の認定を受けた発電設備に対して、固定資産税を軽減する措置。 |
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対象者 |
再生可能エネルギーの固定価格買取制度の認定を受けた発電設備を取得した事業者。 |
措置内容 |
固定資産税が課せられることになった年度から3年分の固定資産税に限り、課税標準を、課税標準となるべき価格の2/3に軽減。 |
参考:資源エネルギー庁「なっとく!再生可能エネルギー」 |
また、「再生可能エネルギー発電設備に係る固定資産税の軽減措置」という制度もあり、これは取得した太陽光発電システムについて、新たに固定資産税が課せられることになった年度から3年度分の固定資産税に限り、課税標準を課税標準となるべき価格の2/3に軽減するといったもので、10kW以上の太陽光発電システムを導入した方全てが対象となります。
この制度においては土地の固定資産税の減免はないものの、こういった措置はシステム導入初期の負担軽減に繋がると言えるでしょう。
所有遊休地に太陽光発電システムを設置することによって、グリーン投資減税という税制優遇措置を受けることが出来るのも大きなメリットでしょう。
グリーン投資減税とは、青色申告書を提出する法人又は個人が定められた期間内に対象設備を取得し、かつ1年以内に事業の用に供した場合に、取得価額の30%を特別償却、又は7%の税額控除、又は100%の即時償却のいずれかの形で会計処理できるようにするという制度で、再生可能エネルギー機器の普及拡大を目的に導入された制度です。
グリーン投資減税を活用することで、大幅な法人税の節税が可能となります。
遊休地で太陽光発電 システムの運用形態
遊休地の土地活用方法として太陽光発電という選択肢が有効であることをお伝えしました。
では、具体的にどういった運用方法があるのでしょうか。
ここでは「土地も資金も保有している」ケースと「土地は所有しているが資金に余裕がない」ケースの2種類に分け、それぞれの運用形態について紹介していきます。
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ご自身の資金で遊休地に太陽光発電システムを設置する形態。
土地の所有者が最も大きなメリットを得られる運用形態で、塩漬けとなっていた遊休地が20年間に渡って安定した収益源となります。
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遊休地で太陽光発電を行う方法として、土地を貸し出すということも可能です。現在は全国的に太陽光発電用地が不足しているため、大きなニーズがあると言えるでしょう。
ただし、その賃借料は買取価格を考慮すると、土地所有者にはあまり大きなメリットがないため、事業者と共に慎重に検討していかなければなりません。
- リースを組むということも有効な手段の一つでしょう。リースの場合、資産を持たなくとも発電事業を実施することが出来る他、リース料の支払いは分割払いのため、費用は平準化されます。また、売電収入を充当することで費用負担をより軽減することが可能です。