遊休地に太陽光発電システムを導入するにあたって多く寄せられる質問をピックアップ!

太陽光発電システムの設置に関する法令にはどんなものがありますか?

基本的に土地利用に関する法律と電気に関する法律があります。

太陽光発電事業を行う際には、電気事業法をはじめ様々な法令が関係してくるため、十分に調査、把握しておくことが重要となります。

ここでは、遊休地で行う太陽光発電事業に関する法令を、NEDOの提供する資料に基づき紹介していきます。

土地利用関連

国土利用計画法

国土利用計画法は、乱開発や無秩序な土地利用などを防止し、自然環境の保全と均衡ある国土の利用を図る法律のこと。

大規模な土地の売買は、国土利用計画法に基いて適切に行われなければなりません。 特に、市街化区域では2,000㎡以上、市街化調整区域では5,000㎡以上の土地の取引を行ったときは、国土法第23条第1項に基づき、 契約の日を含めて2週間以内に土地売買等届出書(事後届出)を提出する必要があります。

国土利用計画法手続きの流れ

都市計画法

都市計画法は建築基準法や宅地造成等規制法など他の土地関連法の中心として位置付けられているもので、 その目的は都市における諸活動が合理的に発揮できるとともに生活環境を良好に保持するため、土地の合理的な利用を図ることにあります。

そのため都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域とに分け、市街化区域については既に市街地を形成している区域 及び概ね10年以内に都市施設を計画的に整備する地域と定める一方、市街化調整区域は一切の開発を原則として禁止し、無秩序な市街化を抑制すべき区域と定められています。

遊休地に太陽光発電システムを設置する場合は、太陽光発電システムそのものは建築物に該当しないため[1]開発許可を要しない一方で、 整地や造成といったことは「土地の区画形質の変更」として開発行為と見なされるため、注意が必要です。
(1.太陽光発電設備等に係る建築基準法の取扱いについて

都市計画法規制対象規模

農地法

農地法は、農業生産の基板である農地を貴重な資源として見なし、農地を農地以外のものにすることを規制するとともに 耕作者による農地取得を促進及び農地の利用関係を調整し、耕作者の地位の安定と効率的な利用を図ることを目的としています。

農地を農地以外に利用する目的で転用する場合や、権利の設定や移転を行う場合は、 それぞれ農地法第4条・第5条に基いて、農地転用の届出・許可が必要となります。

農地転用許可申請の流れ(都道府県知事の許可の場合)

農業振興地域の整備に関する法律(農振法)

農用地区域に太陽光発電システムを設置する場合は、農振法の確認も重要となります。

農振地域の農用地区域に含まれる農地(農振青地)では転用許可がおりることはありません。 一方で、農用地区域に含まれない農地(農振白地)であれば、農振除外の申し出を行い、一定の条件を満たすことで転用を行うことが可能です。

農振法-農地の種類と転用の基準

森林法

森林法とは、様々な公益的機能を有している森林を、無秩序な開発から守ることを目的に定められた法律。

1ha以上の森林を伐採・開墾して太陽光発電システムを設置する場合は、森林法第10条に基づき、林地開発許可申請を行う必要があります。 また、1ha以上でなくとも、立木を伐採する場合には伐採届の提出を行わなければなりません。

林地開発許可申請の流れ

建築関連

建築基準法

建築基準法は人間の安全性を確保するために、建築物の敷地、構造、設備に関する最低の基準を定めたもの。

地上に自立して設置される太陽光発電システムは、建築物には該当しないという公式見解[1]が発表されていますが、 念のため、工事着工前にその太陽光発電設備が建築物又は工作物に該当するか否かの事前審査を受けることが望ましいでしょう。
(1.太陽光発電設備等に係る建築基準法の取扱いについて

電気関連

電気事業法

電気事業法は、電気事業の運営を適正かつ合理的にすることによって、電気使用者の利益を保護し、及び電気事業の健全な発展を図るとともに、 電気工作物の工事、維持及び運用を規制することによって公共の安全を確保し、及び環境の保全を守ることを目的とする法律。

設備容量によっても異なりますが、太陽光発電システムを設置する場合は、 保安規定・工事計画届出書・使用前自主検査・主任技術者の選任・使用前安全管理審査の提出が義務付けられています。

設備容量 保安規定 電気主任技術者 工事計画 使用前自主検査 安全管理審査
1MW以上 届出 選任 届出 実施 実施
500kW以上1MW未満 届出 不選任・承認 届出 実施 実施
20kW以上500kW未満 届出 不選任・承認 不要 不要 不要
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