太陽光発電に最適な設置条件や環境はありますか？

遊休地に設置される太陽光発電システムに求められる施工要件は、屋根に設置する場合とは少し異なります。

一般的な住宅用太陽光発電システムの場合、最も多くの日射量を確保出来るという理由から、太陽光アレイの設置角度は真南向きの約30度が最も望ましいと言われていますが、 フィールド設置型太陽光発電システムの場合は採算性の向上やリスクヘッジといった観点から、20度で設置するケースが増加しています。

アレイは傾斜角度が大きくなるにつれて作用する風圧荷重は大きくなり、その分基礎に求められる重量も大幅に増加します。 実際に、風速34mの強い風がアレイ背面に吹き込んだ場合、傾斜角度20度のアレイ1㎡あたりに作用する風圧荷重（負圧）は約115kgfにも達すると言われています。

傾斜角度をきつくした分、より重量のある基礎（コンクリート）が必要となるわけです。コスト面で考慮すると、できるだけ傾斜角度を小さくし金額を抑えるというのが現在の主流になりつつあるのです。 傾斜角度による発電量の違いは微小なものであり、20年間の事業収入に大きな影響が出るとは考えにくいでしょう。

ちなみに方角毎の発電量の違いについては、産業技術総合開発機構（NEDO）が提供する大規模太陽光発電システム導入の手引書・検討支援ツールによると、 太陽光パネルを真南向きに30度で設置した場合に得られる日射量を100%とした場合、南東と南西はおよそ95%、真東と真西は84%、北向きは63%になると言われています。

このデータから真南でなくとも南に面している方角であれば、一定の発電量は期待出来ると言えるでしょう。 一方で、北や北に面している方角の場合は、導入費用の採算が取れない可能性も十分にあるため、設置を断念する方が賢明と言えます。